第4章 receive
途中で休憩していると、
三ツ谷は、「あっ!そーだ!」と声を出し、バイクの座席を開けて何かを取りだしランに差し出した。
「なあに?これ…」
「いっつもランには
世話になりっぱなしだからさ。やる。」
えっ!プレゼント…?
ランは目を輝かせる。
包装紙を開けると、そこには赤に金の刺繍の入ったスカーフのようなものが出てきた。
赤に生える金色の刺繍は本当に細かくて美しい。
ランが目を見開いていると、三ツ谷は少し照れ臭そうに言った。
「俺が作ったんだ。それくらいしかやれなくてごめんな」
三ツ谷はなんでも作れてしまう手芸の天才で、学校の手芸部でも1目置かれているらしい。
妹の服などもほとんど彼が作っていて、将来の夢はプロのデザイナーになること。
ランからすればもうすでに彼はプロの域だ。
「そんな!私はたいしたことしてないし、むしろお礼なんていいのに!」
「お前、女の子っぽいカラーは嫌がるかなと思ったんだけどさ…俺はお前には、いつまでも女の子らしくあってほしいと思ってるんだ。」
その言葉にランは心臓が射抜かれる感覚がし、少し顔が熱くなる。
恐る恐る三ツ谷を見ると、彼もまた少し頬を赤らめていて視線を逸らされた。