第14章 revive
「……ごめんな。まだ謝れて無かったから…」
「…えっ…と…なにが?」
「だからその……キスしたこととか…」
「あ、あぁ…いいの。気にしてないから…」
好きではないのにキスをした意味はちょっと分からなかったが、好きな人からされるそれはもちろん嫌なわけはない。
「傷つけるつもりはなかったんだ。
俺、お前のこと…好きだからさ」
「うん…」
「………。」
「え?」
一瞬耳を疑ったが、
あ、違うよね。これもいつものやつだよね…
最近気まずかったから妙な感じに聞こえちゃった。
と思い苦笑いする。
「あのさラン…ひとつ聞きたいんだけど…」
「あ、うん何?」
「その…指輪は……」
眉をひそめて少し不安そうな面持ちで右手の薬指を見つめてくる。
「あっ、あーこれ?
お祭りの時の射的で当てたのを万次郎がくれたんだよね」
手を翳してムーンストーンを眺める。
石言葉は確か…
幸福、純粋な愛、恋の予感
「そっか……。
マイキーに心移りしちゃう前に、言わなきゃな…」
「……??」
三ツ谷は突然真剣な顔をして深く息を吸い、意を決したようにランのその手を握った。
「っえ?」