第14章 revive
「すごい凝っててかわいい…あれ?でも前のは?」
「ああ…一応あるけど…」
三ツ谷が血の着いたスカーフをバッグから出した。
「洗濯してもダメだったんだ。だから、」
「でもそれは私の宝物だから。ちゃんと取っとくよ?
わざわざありがとう」
にっこり笑って受け取ると、三ツ谷は表情を崩して肩の力を抜いた。
どうやら一日半くらい眠ってしまっていたらしい。
ドラケンはというと、半日で目覚めたらしいから心底体が丈夫なのだと思った。
「よし、ケンチン!お散歩行こう!」
「おう。コーラ飲みてぇ」
「え?!大丈夫なの?!」
万次郎の一声で立ち上がり今にも出てこうとするドラケンに目を丸くする。
「ヨユーだし。俺ホントに刺されたのかぁ?」
「あははははは!ケンチンおもろ♡
じゃー三ツ谷、ごゆっくり」
何事も無かったかのように笑って出ていってしまったので、本当に何も無かったんじゃないかと錯覚してしまうくらいだった。
2人きりになって静寂が訪れる。
三ツ谷は、万次郎とドラケンがわざとこの状況を作った意味を察して小さく深呼吸した。
「あのさ、ラン」
「う、うん?」
ランもなんとなく気まずかった。
2人きりで話すのはちょっとまだ違和感が抜けない。
さっきからドクドクと鼓動がうるさい。