第14章 revive
「てめぇ、男のくせしてあんまメソメソしてっとランに言いつけるぞ。もう1発マジで殴られてぇか」
「お前は来ないのかよ…場地…」
「俺はいい。ここで待ってる」
三ツ谷の背を見送った後、場地は皆の話し声が聞こえる手術室近くの壁に背を預け、俯いた。
"じゃあ圭介、約束しよ!何があっても私残して死なないって。ゆびきりね!"
"ふっ。おーけー。ゆびきりな!お前も夢叶えるまで、俺残して、ぜってー死ぬなよ!まぁ俺が死ぬ気で守るけどな!"
あん時の約束…
お前はまだ覚えてんのかな。
俺は忘れたことねぇぞ。
「…… ラン……頼むよ…」
俺は…ただずっと、
お前の笑ってる顔を見ていたいんだ…
「七転び八起きだろ…」
場地は両手指を絡ませ、祈るように額につけてギュッと目を閉じた。
「痛てぇよな…苦しいよな… ラン…
ごめんな……守れなくて…っ」
"圭介〜っ!"
そう言って笑ったり怒ったり拗ねたり…
コロコロ変わるランの顔が瞼の裏に浮かぶ。
笑ってても怒っててもキレててもいいから…
もう1回呼んでくれ。
俺のこと…。