第14章 revive
「2名とも腹部刺創深く出血多量…
搬送中に心肺停止…
非常に危険な状態です。
覚悟してください」
刺されたランとドラケンは
手術室に運び込まれていった。
「嘘だよ…」
「そんな…」
「心肺停止って…」
ここで2人が死んじまったら…
今度こそもう…
タケミチは震える拳を握りしめる。
貫かれた手のひらは血が滲み、
ヂリヂリと痛みを帯びているが、
そんなことを何も感じないほど
今は別の場所が痛かった。
「クソっ!!!」
「三ツ谷くんっ…!」
「俺のせいだ…
俺が…行かせたから…」
「三ツ谷くんのせいじゃなくて…
俺が反応できなかったせいで…
ランさんは俺を守って…
本当にごめんなさ」
「お前が謝んな!」
三ツ谷は震える拳で壁を殴ってから
外へと走って行ってしまった。
外には場地が立っていた。
「場地、俺を殺すほど殴れよ…」
「………。」
三ツ谷は涙を浮かべながらその場にしゃがみこみ、頭を抑えた。
片手には、ランのスカーフが握られている。
「立て。三ツ谷」
「いいから早く俺を嬲り殺せよ…」
「ああ。ランが死んだらな。
でもあいつはまだ生きてる」
「…っ、」
「俺もお前も惚れてる女だ。
そうヤワじゃねぇよ」
場地はおもむろに三ツ谷を立たせると、ほら早く戻れとばかりに背中を押した。