第13章 regret
「タケミっち?!」
武蔵神社に着くと、なぜかびしょ濡れ傷だらけのタケミチがいた。
「三ツ谷くん!!」
「あれ?お前ひとり?」
「やばいんすよ三ツ谷くん!!
ドラケンくんが襲われっ」
「あぁ、わかってる。」
「え?知ってたんすか?!」
「お前こそ!」
三ツ谷はエンジンを切り、バイクを降りた。
雨足は強くなっている。
「キヨマサくんに!」
「ぺーやんだろ」
2人の声が重なった。
「え?」
「は?」
「マイキーは捕まったパーちんを金で助けようとした。でもドラケンは反対した。」
「それは仲直りしたはずじゃ!」
「あぁ。お前のおかげだよ。
うちの隊長クラスでも止めらんなかった2人の喧嘩、どうやって止めたんだ?」
「えっと…その…」
頭にう〇こがついて…などとは説明が出来ず押し黙る。
「ともかくありがとな。お前が止めてくんなかったら東マンやばかったかもな」
「俺はなんもしてないっすよ!」
「……謙虚な奴だな」
三ツ谷はそう呟いてから
ハッとなった。
"謙虚な奴だな……
いや、違うか…
こーゆーのって、なんて言うんだっけ。
あー、"井の中の蛙" か…。お前は。
自分の範囲内でしか物事を考えられない、視野の狭い奴のことだよ"
タケミっちは俺とは違ったんだな。
と実感した。