第12章 reconcile
*
「突然どうしたんだ?マイキー」
三ツ谷は連絡なしに突然家に来た万次郎に首を傾げる。
しかもずぶ濡れで、懐に何かを抱えている。
「ま、とりあえず入れよ」
「んーん。いいんだここで。」
「?」
万次郎はなぜか笑みを浮かべている。
「三ツ谷に聞きてぇことあるんだけど。」
「ん?なんだ?」
万次郎はハーっと息を吐いてから真顔になった。
「… ランのこと、なんとも思ってねぇんだよな?」
三ツ谷は目を見開いて固まる。
「だったら手ぇ出すのやめろや」
万次郎の低い声色とその威圧感は
誰もを怯ませる迫力がある。
「……どういう意味だ?」
「そのままの意味だ。
前から言ってるけど、ランは俺の女だしな」
その言葉に、三ツ谷の表情が徐々に険しくなる。
「なら俺も言わせてもらう。
前から思ってたんだが、そのセリフの意味はなんだ?
付き合ってねぇのに、どういうつもりで言ってる?」
「そう約束したんだよ」
「は…意味がわからねぇな」
「意味わかんねぇのはどっちだよ。」
無言の睨み合いのさなか、
奥から三ツ谷の妹ルナが出てきた。
「お兄ちゃんをいじめるな!!」
「あ?」
「ルナっ!あっち行ってろ」
しかしルナは万次郎の前に行くと、目を逸らさず万次郎を睨みあげている。