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progress ~東リべ卍~R18~

第12章 reconcile



「あーあ。やっちった…ごめん♡」


そう万次郎はニッコリ笑ったが、
はっきり言ってなにがなんだかわからなくて唖然とする。

さっきからコロコロ変わる態度も意味がわからない。


「も…っ…そっそんな仕返ししなくてよくない?
なんか痛かったよ今?犬かよ!」


「くくっ…」


花火のけたたましい音とともに光る明かりで、ランの首筋の卍に小さな痣が残ったのが目に映った。


俺にしては…耐えた方だろ。

本当はこんなことじゃなくって、
したかったのは……



「あ…なんか雨降ってきたよ……」


ランの言葉で気がついた。
ポツポツと冷たい雫が顔や手にかかってきた。


「帰るぞラン!」


「うん!」


伸ばした手に、ランの手指が絡む。


1個だけわかったよラン。


お前って、俺のこと、
仲のいい大好きな "きょうだい" としか思ってねぇんだってこと。



でも、それならそれでいいよ。

それならそれの…
それでしか感じれない幸せが
俺にもお前にもある。


そう、こんなふうに…。


俺と、ランだけの
他の誰も入る隙のない
こんな幸せ。


全てが嫌になっても、たった一人、
好きな奴がいるだけで心は救われる。

一番俺の綺麗な場所にいてくれるから。

気づいてないかもしれないけれど、
お前は俺をいつも救ってくれてる。
それだけは確かだから。


万次郎は寂しさとも嬉しさともとれる感情を噛み締めながら、グッと握る手に力を込めた。
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