第12章 reconcile
思えば俺は、出会った時から、
こいつを笑わすためには何ができるだろう?
そんなことばっか考えてきた。
たとえ笑顔にできなくても
ランの悲しい顔だけは見たくない。
そう思い続けてきた。
いつしか、ランと同じ空間にいるだけで
どこでも居心地のいい世界に変わって
俺の日常がこんなふうに変わった。
それは多分、
チーム創って、時代を変えて…
そんな生きる目的ができたからだと思う。
こいつのおかげで。
だからできれば俺の手で、
幸せにしたいって思う。
でも…お前の幸せって…なんだ?
たくさんの奴に愛し愛されること?
こんなふうじゃ、幸せじゃない?
東マンの皆に
いろんな奴に
確実に愛されてる今は
幸せじゃない?
こんな感じじゃあまだまだダメ?
……そうだよな…
こいつの追い求めている幸せは
きっと、たった1人の自分の愛する人に
たった一つの愛情を向けられることだ。
ランだけじゃねぇ。
この世に生きている人間みんながきっと
そう望んでる。
この俺も……。
そう。人間は皆、ないものねだり。
欲張りなんだ。
手に入らないものほど
必死に追い求めようとする。
だから俺ももうずっと長いこと…
追い求めてるんだ…。
感情は移り変わりやすく、
真実さえも歪めてしまう不確かなもの。
だからこそ、
人は他人の感情を支配したくなる。