第12章 reconcile
「だってプレステ2ならうちにあるもんね」
ランがそう言いながら他の商品に狙いを定めている。
「マジかー…いいなぁ。」
そこからこの2人は、1度も外すことなくトストスと景品を落として行った。
しかも3セットもやっていた。
「さっ…さすが東マン最強のつがい…」
「わー…2人ともカッコイイねぇ」
日向の言葉に、タケミチは苦い顔をする。
できれば自分が日向にこの姿を見せたかった…
「もう来ないでくれよ!?」
店主が心底不愉快そうな顔をしながら景品を渡した。
「お二人共…なんであんなに射的うまいんすか?!」
コツを知りたいタケミチはそう聞いた。
「えー?んなのテキトーだよ、テキトー」
テキトーな万次郎とは裏腹に、ランは意外にもしっかり話し出した。
「力を入れすぎないのがコツかな〜。ただ正面狙っただけじゃもちろんダメだし、モノの形によって狙うべき位置もあるしね。より少ない力で倒すには力のモーメントを使ってさ、まぁ回転させるイメージって感じかなぁ〜」
「???」
せっかくの説明なのだが、やはりタケミチには言ってる意味がわからなくて、なにもかも到底この2人には及ばなそうだと実感した。