第12章 reconcile
「誰って…あはは」
2人はお面を頭にずらした。
「え!!マイキーくんとランさん!!」
「よっし!オヤジ!1セット分ね」
「俺も〜」
ランと万次郎はそれぞれ3回の射的玉を受け取り、やはり狙うは特賞らしい。
いくら無敵の2人でもこんな強靭でしかも小さすぎる的を倒すのなんて無理だろうとタケミチは思った。
万次郎とランはジャンケンをして、先手を決め、交互にやっていくらしい。
「くっそぉー!負けたぁ!」
「もうこれは俺が勝ったも同然だな!」
ジャンケンに勝った万次郎が特賞の的に向けて構え始めた。
店主は余裕の表情で見守っている。
「マイキーくん、これぜってー重ししてるんで正確に当てないとなかなか倒れ」
ドスッー…
「え」
タケミチもヒナも目を見開いた。
たった一瞬の1発で的は勢いよく倒れた。
「っしゃぁあっ!」
「チッ…」
万次郎はふんっとドヤ顔をしていてランは悔しそうに舌打ちをしている。
店主は信じられないものを見るかのように口をあんぐり開けている。
「で、おっさん特賞ってなに?」
知らないで狙ってたのかよ!
とタケミチは心の中で突っ込む。
「あ…あぁそれはこの…」
「なーんだプレステ2か。」
ちぇ〜っと万次郎が残念そうに頬を膨らめているのでタケミチは驚愕する。
プレステ2なんて当時の俺が欲しくて欲しくてそれでも手に入らなかった代物だぞ!!!