第3章 react
「おーう、堅。言ってたのはその子かぁ?」
そこにいたのは顔や腕などありとあらゆる露出部分が全てタトゥーで埋め尽くされているなんともガラの悪い男だった。
「そうだよ。」
「お前なぁ、こーんな可愛い子までそそのかすんじゃねーよ。お前と同い年なんだろ?なに?堅とおそろい入れたいの?」
「違います!卍の印入れてください!」
「えー。てっきり彼氏とオソロ〜とか言うのかと思ってたんだが…」
「ちげーよオッサン、その子の男は他にいる。」
「ほぉ…なるほど?
じゃーその彼とオソロにしたいってわけだ。」
ランはなんだっていいから早くしてほしかったので何も言わなかった。
うなじなんかどう?
と言われたが、それじゃ髪で見えなくて意味がないと思い、右の首筋に入れることにした。
ドラケンは近くのソファーに寝そべって待っている。
「じゃーいくよ。だいぶ痛てぇけど、我慢できるな?
ちなみに堅は唸りまくってたが。」
「言わなくていーよ!!」
そのやりとりにクスクス笑いながらランは頷いた。
掘っている間、ランは本当に無言で眉ひとつ動かさなかった。
場所も場所だし物凄く痛いはずなのにだ。
さすが…マイキーの言ってる通り、人一倍根性ある奴だなぁ…とドラケンはその様子を見つめ続ける。
俺はあんなに痛くて泣きそうだったのに…
そもそもこいつって…泣いたりすんのかな?
見たことねーけど……