第3章 react
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「あっ、そうそう、ケン。
そのタトゥー入れたとこ、私も連れてってくんない?」
「……は?」
突然何を言い出すんだとばかりに、ドラケンと万次郎はランを見る。
「私も入れたいの」
「い、入れたいのってお前、タトゥーを?」
「そうだよ?悪い?」
ドラケンは目を瞬かせる。
「悪かねーけどさ…」
「いんじゃない?でも何入れんの?」
万次郎はそう言ってまたどら焼きを食べ始めた。
「こーれ!」
ランは地面を指さした。
そこには「卍」の記号。
「あー…卍か…。どこに入れたいんだ?」
「んー、どこがいーかなー?行ってから考える。」
そして後日、本当にランはドラケンについていき、店の前に到着した。
「1度入れたら消えねーよ?いいんだな?」
「なにそれ。ケンはそれ入れたの後悔してるの?」
ランがドラゴンのタトゥーを見てうっすら笑ったのでドラケンは少々ムッとした態度で言い放った。
「してねーよ。」
ふっと笑うランを一瞥してから扉を開いた。