第12章 reconcile
「あっ、金魚すくいはっけぇん!!」
ランは、久しぶりにやりたくなってあれこれモグモグ食べている万次郎を引きずって近付いた。
「わぁ〜かわい〜!
黒出目金と白出目金もいるよ〜!」
「ふ〜ん。 ŧ‹”ŧ‹”( ‘ч’ )ŧ‹”ŧ‹”」
「ちょっと万次郎!私が金魚すくってる間、
はぐれないでよ?!」
「わ〜ってるわ〜ってる。 ( '༥' )ŧ‹”ŧ‹”」
ランは気合を入れて袖をまくった。
「っしゃぁあ〜っ!!」
黒い出目金はわりとすぐに取れたのだが、
白い出目金が逃げ足が早くてなかなか捕まらない。
「あーっ!もうっ!破けそうっ…!」
「早くしろよぉ〜……おっ!鈴カステラ発見♡」
万次郎は、金魚に夢中になっているランからこっそり離れて鈴カステラの店の前へ行った。
すると……
「あれ?ケンチンとエマじゃん」
「は?誰?って…マイキー?」
「俺をケンチンて呼ぶのはマイキーだけだよな」
ドラえもんのお面をしている万次郎に、
2人は笑いをこらえる。
「てゆーか来てたんだ!1人?」
万次郎ならばむしろこういったところは1人でガンガン来てしまうようなタイプなのでそうなのだろうと思って聞いたのだが、ドラえもんのお面は首を横に振った。