第3章 react
「俺と友達になれ。ケンチン♪」
突然にっこり笑ってそう言われ、
また調子が狂ってしまった。
「う、うん!!」
「マイキーでいーよ。あっちはラン。
ランはあだ名で呼び合うのを嫌がるんだ。」
「そうなんだ…」
「なぁーラン。こいつこれから俺のダチ、な♪」
ランという女は、こちらに近づいてくると…
上から下までジロジロと俺の事を凝視した後…
「あっそ。本名は?」
初めてこいつの声を聞いた。
態度とは似つかわしくない、可愛らしい声だと思った。
「…龍宮寺堅……」
「ふぅん…ケン…ね。」
初めてすこーしだけ表情を崩してくれた。
「ランは俺が認めた男以外は全員敵なんだ。」
マイキーの言葉の意味を、
その時の俺は理解できなかった。
でも…
のちのち聞いた話で
それを知ることとなった。
ラン、お前は1年経った今でも
男は皆、敵なのか?