第11章 radiant
「こないだは…突然キレたりしてごめんね」
「え…」
なんでお前が謝るんだよ…
悪いのは俺なのに…
「いや、俺の方こそ…その…」
「別に三ツ谷くんに悪いとこなんて1ミリもないから!」
(振られて勝手に逆ギレするなんて、私ってホント自分勝手すぎる)
ニッコリ笑っているランに、
三ツ谷は言葉を失ってしまった。
やっぱ好きだ。
"悔しかったらお前も男になってみろよ三ツ谷。
エマの言葉借りんなら、"意気地なし君"だぞ、お前。"
押し倒したい衝動なんて、
数え切れないほどあったに決まってんだろ。
でもそんなことできるわけねぇ。
そう、俺は多分、意気地なし君なんだな。
「ねぇ、三ツ谷くんは、誰かを好きになったことってある?」
「えっ?」
「恋愛的な意味で。」
そう言って微笑んでいるランに、
三ツ谷は少し逡巡してから視線を落とした。
「あるよ…」
「へぇ!どんな子?
そういえば三ツ谷くんてどんな子がタイプなの?」
思えば、こんなこと1度も聞いたことがなかったなと思ってランは興味津々に身を乗り出した。