第11章 radiant
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「おぉ??面接の予定なんて今日あったっけな?」
ランがそのままの足で訪れた先は、ドラケンの家…つまりは渋谷の風俗店だった。
エレベーターが開いてランが現れるやいなや、受付の男は上から下までジロジロランを見たあと、そう言ってからニコニコしながら近づいてきた。
「もちろんアポなしでも全然オッケー!その日のうちに体入&即入店日払いオールオッケー☆じゃーさっそく面接始めようか!こっちネ!」
そう言って部屋に案内されそうになったので、ランは目の前の男にツンケンしながら言った。
「龍宮寺堅に会いに来ただけなんで。」
「…え?えぇ?あ、あぁ!なるほど!
ケン坊のこれかぁ!!あいつもやるなぁ!」
男は小指を立てながらニタニタし始めた。
「おし、ついておいで。」
男について廊下を歩いていく。
男は、こんなところに表情変えず1人で来たこの女の子に少々怯んでいた。
場所柄、コスプレなのかと思ったが、どうやら本当の制服らしい。
なにを考えているのか分からない真顔だし、ツンケンしている態度で戸惑っている様子が1ミリもない。
「あーれー?なになに店長ぉ〜新入りの子〜?」
「へぇ〜可愛い〜!でもちょっと若すぎない?」
「ほんとだァ!ロリコン受けだぁ〜♡」
そこらからたちまち女たちが出てきた。
そんな女たちには突然ランは表情を変えて、「こんにちは!」と挨拶をしているものだから、男はなぜ自分にだけ態度が違ったのだろうかと目が点になってしまった。