第11章 radiant
「なぁー… ランー?」
「んー」
目を閉じたまま無機質に返事をするランから視線を逸らし、また空を眺めた。
「三ツ谷のこと、好きか?」
その言葉に、ランの鼓動が跳ねる。
「そ、そりゃ…好きだけどさ」
(振られたのに女々しいな私は…)
そう思いながらため息を吐く。
「Likeじゃなくて、Loveの方な。」
「っ!…全然授業受けてないくせに
なんでそんなこと分かんの」
「いや、お前見てりゃ分かるでしょ」
「……英単語の話なんですけど…。
あと…Loveかどうかは…わかんない…」
そんなことを小さく呟くランに、
万次郎は笑った。
「俺はランの嘘、昔っから見抜けるから。」
「・・・」
静寂が周りを支配する。
風の音もしなければ、鳥の鳴き声も聞こえない。
もう登校中の生徒も全員学校に入っていったみたいだ。
今は朝のホームルームが行われているだろうと思った。
「幸せになってほしいって思う。
別に三ツ谷じゃなくってもさ、
大人になって、好きな奴と結婚して、
元気なガキ産んでさ…。」
「っ…いきなり何言い出すの。」
「本音だよ。」
その言葉に、昔言われた言葉を思い出した。
"女や子供に優しい、良い男たちがいるってのをお前に証明してやる。そういう男たちを増やしていって、カスな男共を排除していって、ランのために幸福な未来を作ってやるよ。"