第11章 radiant
「てかそんまま学校行く気?
笑われるよ?」
「うっせぇな…俺を笑う奴いたらぶん殴ってるよ」
「私今ちょー笑ったよ?ぶん殴れば?」
「・・・」
「はぁ…ちょっと来て!」
学校に到着したので、ランは万次郎の手を引いて屋上へと足を運んだ。
万次郎を座らせ、持っていたコームで髪をとかし、髪ゴムでいつものマイキーヘアにする。
「これでよし。その髪ゴムあげるよ」
「えーいーのー?」
「うん。私にはもうこれあるから要らないし」
そう言って、頭の赤いスカーフを指さす。
「・・・」
万次郎は無表情のまま仰向けになった。
ランも仰向けになる。
青い空に僅かな雲が流れている。
今日はとても天気がいい。
「俺、今日はこのままサボろ〜」
「えー?出席日数足りなくなるよ〜?
圭介みたいに留年しちゃうよ〜?」
「なんとかなるよ。
もー今はなーんにもする気起きねぇ」
「……じゃあ今日は私もサボる」
そう言って目を閉じるランに
万次郎は顔だけ向ける。
赤いスカーフが白い肌には映えているが
首の卍の墨とはミスマッチだと思った。