第10章 return
するとそこには、なんとも気味の悪い動物のようなものが描かれていた。
「ウケる…」
でもなんか怖ぇぇ…!!
さすがラン!
見てて飽きねーなー。
だからルナマナもいつも
ランとお絵描きしたがるのか。
「つぅか…なにこれ、パンダ?ライオン?
…え、マジでなに?」
この世に生息する
生物に思い当たるものがない…。
ランの妄想の世界の何か?
そもそもこれ動物?…あ、
ようか…いや…かいぶ…いや…妖精?
「それはネコチャンだって言ってたよ。
ランちゃんのお友達の家によくいる野良猫なんだって。」
「!?………へぇ。場地かな…」
場地ん家はいつでも野良猫入れるようにしてるとかなんとかって、ランが言ってたっけ。
まぁ、こんな姿ではないと思うけど。
場地の奴…ああ見えてめちゃくちゃ動物好きなんだよな。
将来はペットショップでもやんのかな?
そう呟いてから顔を歪める。
つうか場地……
あいつってぜってー…
「あ!そうそうおにーちゃん!
これ、アイシテルって意味なんでしょ?」
ルナの指さしたそこを見ると、
なんと"ILoveYou" と書かれていた。
「あー、うんそうだな。」
「ダイスキって意味なんでしょ?」
「…ああ。ランが教えてくれたのか?」
「うん!それでね、ルナもマナも、
ランちゃんは誰がダイスキなの〜って聞いたの!
そしたらね!!」
そう言って離れた位置に綺麗に書かれたその文字を指さしてきた。