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progress ~東リべ卍~R18~

第10章 return



肆番隊隊長、スマイリーこと河田ナホヤだった。

ランはイラつきながら通話ボタンを押す。


「なによ!!!!」


ビクッ!!
と電話の向こうで怯む息が聞こえた気がしたが、今のランはとにかくイキリ立っていた。


«あ、あれっ?!ラン?だよな?»


「そーだけど何!!今忙しーの!!!」


«いや、こっちの方がぜってー忙しいから聞いてくれ!!大変なことになった!!»


「あ?」


«パーちんがサツに捕まったんだよ!!
んでマイキーとドラケンの喧嘩が止まんなくって…»


「……は???」


«とにかく!早く来てくれ!収拾つかねえんだ!!
いつもの場所にいる!!とにかく早»


聞き終わる前にピッと電話を切り、バタバタと立ち上がる。

顔面蒼白になっているランを、三ツ谷が引き止めた。


「待て!どーしたんだ!!」


「三ツ谷く……どうしよう…」


「は?どうした、落ち着け」

ハァハァと息を荒らげるランを訝しげに見つめる。


「春樹が捕まって…万次郎と堅…が…。」


パッと目を見開く三ツ谷がランの手を引いた。


「飛ばすぞ!掴まれ!」



三ツ谷のバイクの後ろにはかなり久々に乗った。

もう2年ぶりだろう。


本来なら嬉しいはずなのに、
ちっとも嬉しくないのは、先程の彼との会話のこともそうだし、今起きている信じ難い現実が、心をぐちゃぐちゃに掻き乱しているからだった。
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