第10章 return
「止めましょうよ!!」
そうタケミチは叫んだが、
万次郎は笑った。
「なんで?まだ諦めてねぇじゃん」
しかし、パーちんはついにダウンし、万次郎に支えられた。
「ごめ…マイキー…俺…ふがいね…ぇな…」
「何言ってんの?パーちん!
お前負けてねえよ」
万次郎の言葉に、メビウスは大笑いしだした。
「はぁあ?!何言っちゃってんだお前!」
「どこをどう見たら負けてねえんだよ!」
「ふざけたこと言ってんじゃねえぞ!」
「おいマイキーとりあえず土下座な!」
「ガキだからって泣いても許さねえよ?」
万次郎は無言で長内に近付いた。
「お?やんのかマイキー?
10秒で殺してや」
ドガっ!!
長内は目にも止まらぬ万次郎の蹴りで、一瞬で気を失ってしまった。
周りは騒然と固まった。
「パーちんが負けたと思ってる奴、
全員出てこい。俺が殺す……
東マンは俺のもんだ。
俺が後ろにいる限り、誰も負けねぇんだよ」
万次郎の力強い言葉に、
辺りはシンと静まり返っていて
その圧倒的な強さと存在感に
誰も微動だにできないでいた。