第10章 return
「まさかこれだけのために俺を呼んだんすか?!」
「「うん。」」
「酷いっすよ!!ぶっ倒れるかと思いました!!」
「マジ?そんなにか?」
「圭介も食べてみてよ」
「馬鹿野郎!こんなん見せ付けられて無理だろ!」
「せっかく私が買ってきたのに?」
(まぁ買ったのアイツだけど。)
「うっ……反則だろお前それ…っ…」
寂しげな顔でそんなことを言われれば
食べるしか選択肢はない。
場地は恐る恐る、震える手で箸を掴み、少量だけ口に運んだ。
「あ"」
場地が発した言葉はこれだけだった。
そしてバクバクと先程の生どら焼きを食べ始めた。
「え、何その反応?」
せっかくだから私も一口…
そう言ってランも恐る恐る口に運ぶ。
あれ…意外と平気かも?
そう思ったさなか、じわじわとそれは来た。
「!!!!っうあーっ!!かっっっらーーー!!
ひぁー…な、なにこれ?!ちょっとやりすぎっしょ」
はじめのファーストインプレッションをまんまと覆すくらいの、まさに口から火を噴くレベルの衝撃が口内を刺激した。
おそらく、未だかつてここまで辛いものを食べたことがないだろう。
「くくくくちがぁ…っ…もー二度と無理!!」
「無理だなこりゃ…」
「はい無理です…」
3人とも茫然とする。
とは言ったものの…
「捨てるのももったいないね…」
「じゃーこれは…あれだ。マヨネーズだな」
そう言って場地がマヨネーズを大量にかけてグルグルと混ぜ始めた。