第10章 return
「あ…れ?」
「お?」
千冬は意外にも真顔で普通にモグモグ咀嚼している。
「ラン、お前…
間違って普通の方持ってきてねぇか?」
「うそ?いやそんなはずは…」
コソコソ2人で言い合っていると突然千冬が咳き込み出した。
「うっ!!ゴホッゴホッ!!
なっ?!…ああ"あ"あ"!!!んぐっ!
おえっゴホッゴホッ!!あ"っ」
「「キタキタキタキターーーー!!!」」
ランと場地が同時に声を上げた。
「はっはい!千冬!水!!」
ランが急いで渡した水を千冬は一気に飲み干してまた咳き込みだした。
「なんっ、なんなんすかコレぇぇえ?!
あっヤベェ…!まだ口ん中がっ…っく…あ"」
「ほう。こりゃそーとーだな…」
「うん。さすがは史上最強…」
「ふっ2人とも…っ!!ゴホッゴホッ」
千冬はもう一杯水を口に含みながらようやく状況が掴めてきて、自分がここへ呼ばれた意味を知る。
「はーっ…ひでぇっすよ!!
あ"ー。マジで死ぬかと思った!」
「千冬大丈夫だよ!ほら、シュークリームで口直しして。」
差し出されたシュークリームの味も分からないくらいに千冬の口の中はやばいことになっていた。
だんだんクリームのおかげで口内のビリビリは治まったが、逆に頭にビリビリと怒りが込み上げる。