第10章 return
そのあとも、ウロウロするランの後ろをドスドスとついてくる。
「じゃあ、ファはなんだ?」
「は?ファ?ファ……ファンタ?」
そう呟きながらもいつのまにかランはファンタをカゴに入れていた。
「いや、違うな…ファはファイアパワーのファだ。
すなわち部隊の威力、そして組織の目的遂行力。」
「へぇー…そうなんですねぇ」
「ならば、シはなんだ?」
「…シ…シは……シュークリーム…
あ、そうだシュークリーム…!」
ランはくるりと振り向いて大寿を押しのけ、またスイーツエリアへ行きシュークリームをカゴに入れた。
「いや、違うな…シは七転八倒。
すなわち、転んでは起き起きては転んで激しい苦痛にのたうち回ること」
「……七転び八起きのほうがいいよ…てかさ、…。」
(え…マジでついてきてない?気のせいだと思ってたけど気のせいじゃないよね?てかさっきから意味わかんない遊び付き合わされてない?!)
「あの!」
バッと後ろを振り返り、思い切り睨みあげた。
「ついてこないでくんない?!
何考えてんの?!」
すると大寿は白い歯をニカッと見せた。
「うちに来ようとしてんじゃねぇの?」
「っ…。行きません。」
(てゆーかお前のせいで行けなくなったんだよ)
「なーんだ。じゃ、なんでわざわざこんなとこで買い物してんだよ。東マンの宣戦布告か?」
その言葉にヤバイとようやく汗が滲む。
こんなことで東マンを巻き込むわけにはいかない。