第10章 return
ランはパンケーキを頼み、万次郎はというと、なんとお子様ランチセットを頼んでいた。
まぁ昔からこれはいつものことだからランはとくに言及もしないが、尾行しているタケミチは驚いていた。
「なぁラン。疲れてんならさ、無理せず休めよ?真面目なお前は学校も勉強もあんだし。皆の報連相ぜーんぶやってたらしんどいだろ。たまには三ツ谷とか他の奴に」
「ダメだよ。私しかできないし、とてもじゃないけど引き継ぎしきれないしね。てゆーか!別に疲れてないし!」
「…そー?」
「心配してくれるなんて珍しいじゃん」
「いっつもしてるし」
「なら私だってしてるよ?万次郎のこと。」
沈黙が流れた。
どちらともなく水を飲む。
「あんたはさ、なんにも気にせず喧嘩してりゃいーのよ。ゴチャゴチャしてる部分は私がやるからさ。」
それに…
とランは窓の外を見ながら続けた。
「早く万次郎の創る時代を見たいからね。私のための族(チーム)なんでしょ?なら私にとって、東マンは、何よりも大切だよ。学校や勉強なんかよりね。」
万次郎は一瞬目を見開いたかと思えば、フッと笑って伸びをした。
「俺のお子様ランチまだかな〜♡」