第9章 resolve
そのままペロリとランの唇を舐める三ツ谷の舌が見えた。
ゆっくりと離れた三ツ谷の唇は赤く染まっている。
ランの口は半開きになっていて、唇もそうだが顔も赤くなっていた。
衝撃のシーンを見てしまった…
とタケミチは急いで口に手を当てて目をそらす。
「馬鹿が。」
「・・・」
「ファーストキスが血の味かよ」
「え…ごめ…三ツ谷く…」
「次自分を傷つけるような真似したら容赦しねぇぞ。
俺が噛みきってやるからな」
「は…い…」
ランは目を合わせられなくなり、
口に手を当てながら万次郎の方へと行ってしまった。
「…あいつって、ぜってー泣かねぇんだよな…」
「え…そうなんですか…」
「ああ…誰も見た事ねぇんだ」
「・・・」
俺なんてしょっちゅう泣いてんのに…
とタケミチは心の中で自嘲する。