第9章 resolve
「おいランっ。くち、開けろ。」
三ツ谷がランの顎を掴んだ。
男は皆敵で悪だという思想を抱いているランからすると、レイプされたその女の子のこともあり、心底腹が立って悔しい気持ちはタケミチにも三ツ谷にも分かる。
「マジで、唇噛みきっちまうぞ!
おい、落ち着けよ」
「ランさん…ちょっと…」
血がみるみる滲んでいる。
涙を流す代わりに唇を強く噛んで耐えているのかもしれないと思った。
「ラン…なぁ頼むから…」
「・・・」
三ツ谷は顎を掴んだまま
目と鼻の先でランを見つめている。
「ラン…」
えっ…とタケミチは声を出してしまった。
なんと、三ツ谷がランの唇に口付けをしたのだ。