第9章 resolve
「まっ、まさか!そんなわけ…」
「じゃーなんで赤いのつけてんだよ
誰の血だコラ。
お前は怪我ねぇよな?!」
そう言ってまじまじとランを見回す。
「っあぁ!赤のマーカーかも!」
「ん?…マーカー?なんだそりゃ。
勉強してたの?」
「あー…はい、そーです…」
(万次郎の奴…気付いてたくせにわざと言わなかったな)
三ツ谷が一瞬呆気に取られたような顔をし、たちまち笑い始めた。
「くっ…どーいう勉強の仕方してたらこんなとこに着くんだよ。つーかビビらせんなよな、マジで。」
「ごめん、ちょっと没頭しちゃっててさ。」
苦笑いしながらランは焦ったように常に持参しているウェットティッシュを取り出した。
「拭いてやる。見えねーだろ。」
それを三ツ谷が奪い、ランの頬を拭く。
「…なんか痛い。もーちょい優しく」
「るせぇな。なかなか落ちねぇんだよ」
その間、ランは照れくさそうに笑っていて、三ツ谷は呆れ顔で、でもとても優しげに目を細めていた。