第9章 resolve
「そんなの、万次郎に決まってんじゃん」
その言葉に、万次郎の表情はたちまち笑顔になる。
「そっか♪だよなっ」
ぐしゃぐしゃと頭を撫でられ、ランはイラつきながらその手を振り払う。
「ちょちょっと髪が乱れる!」
そう言って髪を整え、今ではすっかりランのトレードマークになっている三ツ谷からもらった赤いスカーフを巻いた。
「それ好きだな〜お前。まさか寝る時も一緒?」
バカにしたように万次郎が聞いてくる。
「もちろん!てか万次郎だってちっちゃい時からタオル握ってないと寝れないじゃん。もうあんなボロボロなのに」
「あれは俺の命だもん。赤ん坊の頃から一緒♡
お前のそれは、なんだか三ツ谷の匂いついてる感じでちょっとなぁ〜」
「え、なにそれ?」
訝しげに睨むランを、どこか寂しげな表情で見つめる万次郎。
「ずっと俺のもんでいてほしーってことだよ」
「……は?私別に誰のもんでもないんですけど」
「うそ?俺のもんだと思ってた〜!ショックー!」
わざとらしく口に手を当てている万次郎に眉を顰める。