第9章 resolve
「ラン!行くぞ」
部屋で勉強をしていると、
ノックもなしに万次郎が入ってきた。
しかも特攻服姿だ。
「ちょっ!ノックしろっていつも言ってんでしょ!
つーか行くってどこへ」
「はぁあ?嘘だろラン〜
今日は集会の日だよ?
お前がみんなに回したんじゃん!」
「あ……」
そうだった…
やば…没頭しすぎてて忘れてたわ…
今回はすごい大事な集会なのに…!
「ごめん、先行ってて〜」
へらへらと笑って言うと万次郎はため息を吐いた。
「てか何?まさかお勉強とかしちゃってんのー?」
つかつかと歩み寄ってきてランの頭に手を置き、机を覗いてきた。
「そーだよ、悪い?
こないだテストの順位ちょっと落ちてさ…
はぁー…」
あからさまに落ち込む様子を見せるランの頭を自分の方に向け、万次郎は目と鼻の先でランを見つめた。
「お前、東マンと勉強、どっちが大事なの?」
その無の表情は、誰もが怯むものなのだが、
ランだけは唯一、無の表情で返すことができる。
「比べるものじゃないでしょ。」
「この質問は、俺と学校、どっちが大事かを聞いてるんだぞ。」
何その天秤…
と思いながらランは軽く息を吐く。