第2章 rampant
睨みを効かせた私の態度に怯まなかったのは万次郎だけだった。
真一郎は10個上だから、私に対していろいろと考えるところが多かったのだろう。
試行錯誤していたようで、色んな態度で私に接してきた。
私に対し、何かぶつけるものが必要と思ったのかもしれないが、道場で稽古に参加させたり、いろんな遊びを教えてくれたりした。
そんな真一郎のことも、
いつも私を助けてくれてた万次郎のことも
慕ってくれるエマのことも
厳しく稽古してくれる爺ちゃんのことも
今では本当に大好きな家族だ。
こうなれたのはきっと、
真一郎のある言葉がきっかけかもしれない。
"過去の自分を受け入れろ。
受け入れることで強くなる。
受け入れないままだと
どこかでその弱さに足元を掬われる。
生きづらくなるだけだ。"
いろんな苦しみや悲しみを
少しずつ受け入れようと思った。
強くなるために。