第2章 rampant
ランはその態度のせいで、学校でもよく男子に絡まれていた。
その度に俺は助けた。
幼なじみの場地も混じえて。
美味しいどら焼きもたくさん教えてあげたし、兄貴や場地と共にいろんな悪い遊びも教えたし、どうでもいい話をいっぱいした。
すると、徐々にランも俺達には打ち解けてくれて、で、結果今ではこんな感じに更に生意気に育ったわけだけど…。
その頃から、ランについて驚くべきことは他にもあった。
まず、料理がめちゃくちゃ美味い。
こんな子供なのにだ。
多分、家でよくやらされていたのだろう。
父親の機嫌取りや、母親の手伝いを頑張っていたのかもしれない。
とにかく佐野家は有難いことに、ほぼ毎日ランの美味い料理で過ごせた。
2つ目は、めちゃくちゃ根性があること。
とにかく誰よりも稽古に熱心で、
その驚くべき成長速度には誰もが目を見張った。
今では俺とほぼ互角なほどだ。
3つ目は……
絶対に泣かないこと。
どんなに上級生に痛めつけられても
暴言を吐かれても
稽古が厳しくてもだ。
ランの涙を見たことは、
今でも、1度たりともない。