第8章 resist
「行こうタケミチくん!こんな人たちの言いなりになっちゃダメだよ!」
日向はタケミチの手を引いていく。
「ヒナが守ってあげる!」
「ヒナ…」
(手が…震えてる…)
その手を掴んだのはドラケンだった。
「おい…いきなりぶん殴ってハイサヨナラ?
ふざけんなよコラ」
「ふざけてるのはどっちですか?勝手に学校に入ってきて無理やり連れ去るのは友達のすることじゃありません。
最近のタケミチくん、怪我ばっかり。もしそれがあなたたちのせいなら私が許しません!」
ガシッ
タケミチはドラケンの腕を掴んだ。
「その手を離せ…」
「あ?何言ってんのか聞こえねーな」
「その手ぇ離せって言ってんだよ馬鹿野郎!」
「てめー、誰に向かって口聞いてんだ?」
「もう二度と、譲れねえもんがあるんだよ!!」
鋭い視線をドラケンに突き刺すタケミチ。
「…あーあ。せっかくダチになれると思ったのに〜
ざーんねん♡」
その光景を見ていただけの万次郎が口を開いた。
「さて、どうやって死にてぇ?
二度と人前に立てねぇ面にしてやるよ♡」
ゾクッとその気圧に推され、冷や汗が流れる。
「じゃあ…一つだけ約束しろや。
ヒナにはぜってぇ手ぇ出すなよ!」
「…はぁ?知らねーよ」
タケミチは目を瞑った。
殴られる!
そう思った瞬間、その拳は降りていた。
「なーんてね♡
馬鹿だなぁタケミっち。女に手ぇ出すわけねぇじゃん。」
「…へ、へ?」
にっこり笑っている万次郎にバシバシと背中を叩かれる。