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炎天下の夏の思いで (カゲプロ)

第2章 空模様のような♀死ネタ(セト)


『さーん、俺、セトっすー!』

おかしいな…いつもならすぐに玄関を開けて俺を出迎えてくれるのに。
何度もインターホンを押し、声を掛けたが応答もないままその日はそのまま帰ることにした。










『…さーん!』

何度も


『…さーん、また来たっすよ』


毎日


『…さん…なんで?』


遊びに来たのだが、前のように出迎えてくれることはなかった










「セト、最近…元気ないじゃん」

アジトの中、久しぶりの休み。
いつもなら欠かさず、あの家に遊びに行くのだが今日は何故だが行きたくない。
ソファーの上で項垂れてると、カノが目の前にやってきて不思議そうに俺を見る。


『ははっ、…やっぱ、カノは凄いっすね』

何でも、お見通しっす…

視線を床に向け、今までの出来事、
俺の気持ち
全てをカノに話すことにした。




「…ねー、それってさ…」


“その人に、何かあったんじゃない”











『はあっはあっっ…さんっ』

土砂降りの雨の中、傘も差さず俺は無我夢中で赤レンガ家を目指す。
俺の心をそのまま映したかのように、
大粒の雨水が容赦なく地面を叩きつけ
俺のつなぎもぐっしょりと濡らしていく。

少しずつ近づいていく度に、不安もそれくらい…いや、それ以上に募る。



『つ、ついた』

玄関の前までいき、扉を思いっきり叩く。
やはり、何の音も、人の気配も感じない。
だけど、それで諦めちゃいけないと何かが俺を動かす。
開くことはないと思いながら、念のためドアノブをゆっくりと回すと

カチャッと開閉音と共にドアが開く。


悪寒が走る。
玄関を通り過ぎ、一つの部屋に足を運ぶ。
ドアをゆっくりと開けると、どうやら物置部屋だったみたいでだけど掃除も行き届いていた。
物置部屋と言っても、段ボールが二個隅っこに置いてあるだけでとても広くかんじる。

特に用はないと決め、他の部屋を見て回ることにした。

ゆっくりと室内を一つ一つ確認するが誰も、いない
リビング、浴室、トイレ何もない。
残るは二階だけ。








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