第8章 黄色と白のメッセージ♀(セト)
今度、一緒に見よう?
そう、約束した数日後にいつものように遊んだ帰り道の
いつにもまして透き通るあの声に若干の悲しさが孕んでいたなんてそのときの俺は気づいてやれなくて‥
翌日家に遊びに行った俺は‥その時、人生で一番の後悔に包まれた。
玄関に幸助に‥とメモが置いてありその上には黄色のタンポポが横になって置かれていた。
もちろん、当時お互いに携帯など持っていなかったので、連絡手段はとぎれ‥気づけば君がいなくなってから5年はたっていた。
『なのに‥君を忘れるどころが、こうして夢にまで見てるなんて‥未練がましいっすね』
手のひらを額に押し付けるように
悲しみもそのまま閉じ込めることができるならば
君への想いも‥記憶も‥忘れることが出来るのだろうか?
「‥おい、セト‥入ってもいいか?」
ドア越しから昨日、遊びに来ていたシンタローさんの声がした。そうだった‥夜遅いとのことで如月さんとアジトに泊まったんだっけ?
濡れた目蓋をごしごしと腕で拭い、
明るい声で応じる。
すると、ゆっくりとドアが開き遠慮がちに入るシンタローさんに何事かと目線を向ける。
「‥キドが飯っ‥お前、泣いてたのか‥?」
『‥え、いや?!そんなことないっすよー!!』
「あー、‥無理には聞かねーけど‥辛いなら吐き出すのも1つの手だぞ‥?」
『‥シンタローさんはすごいっすね‥実は』