第7章 盲目の口づけ♀(セト)DV表現あり
『聞いてるんすか?』
呆けていた私に、また1つ傷ができた。
体はアザだらけで常に長袖で隠して暮らし、周りにはバレたくないからセトと仲良しこよしで周囲を騙し続けていたけど‥
「‥っ‥もう、限界よ‥」
『?』
「っ‥ごめんっ‥もう私‥貴方の傍に居たくないっ‥別れてっ」
『な、なに言ってるんすかっ?!‥冗談っすよねっ!?』
別れたい‥とはっきりセトに伝えた。
セトはその言葉を聞けば、ふらつきその場に座り込むも
目だけはしかと私を捉えていた。
その目からは動揺からか視線を、左右へと動かし額には一筋の冷や汗が流れ落ちる。
ほんとだと続けて告げれば
今度は目に涙をため、さっきまでのセトとはまた違った態度で
縋り寄ってきた。
『ごめんっ‥お、俺っ‥傷つけるつもりなくてっ‥別れないでっ』
大きな瞳からポタポタと幾重にも涙がこぼれ落ち、フローリングを濡らす。
実を言えば、別れを切り出したのは初めてではない。
この前も同じように涙を流し、
それでも別れたいといえば
夜更けにも関わらず大声で泣きじゃくったのだ。
だから‥やり直そうとしたけど‥やっぱり駄目だったみたいだ。