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炎天下の夏の思いで (カゲプロ)

第6章 *甘い匂いに誘われて♂(セトとカノ)オメガ



やっとの思いでアジトに戻った俺は、できる限りあいつらに会わないよう願いをこめながら1歩一歩進むのだが
後数歩で部屋‥ということで見つかってしまった。
目をぎらつかせたαどもに。



「‥薬、飲んでなかったんすね‥甘い匂いただ漏れでやばいっす‥」


「とうとう も番選ぶ気になったの?ま、僕はいつでもいいんだけど‥ほら番は一人のみなんだから邪魔者がいるなら早めに済ませないとね~」

酷いっす~なんてカノに向けられた言葉はほとんど俺の耳には入ってこなかった。
遅かった。よりによってなんでこの二人に会うのか‥なぜ彼らがαなのか‥
キド達ならβだから、あの二人ならまだ良かったのに。


『く、薬は飲むから‥どいてっんっ!‥はぁ』

「辛そうっすね‥もう、立ってるのがやっとってとこ‥?」

二人に挟まれ、肩に少し触れられただけなのに足に力が入らずゆっくりと床にぺたりと座り込む。
そりゃーそうだろうな
ヒート中に二人の匂いにあてられれば嫌でも求めてしまう。身体だけでなく心までも。
αがΩの匂いを感知するように、Ωもαの独特の匂いはわかってしまう
だから、こいつらと初めて会ったときに、αだと直感が告げた。


「我慢は良くないよ?‥それに」

首輪外して楽になったら?

カノの甘い囁きが脳裏にこびりついて離れない。
楽に‥確かに、首輪を外して、噛みついてもらえばこんな発情も番にのみ向けられるし、そこら辺でαに襲われることもなくなる
だけど‥


『簡単に言ってくれるなっ‥よ
一生もんだぜ?俺にとっての番は』

「だからっすよ?‥大丈夫、ずーっと離さないから」


優しく笑うセトに抱き上げられ
向かう先は俺の部屋。
カノに開けられた見慣れた自室に
セトが一歩一歩とベッドへと足を運んだ。





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