第5章 *赤い瞳の奥に♀(セト)
「逃げるなんてダメっすよ?確かに外だと恥ずかしいのはわかるんすけど…」
ナイフをちらつかせた、血のついた刃の部分に舌を這わすセトを見て逃げられないんだと僅かな希望を捨てた。
「んー、濡れてない…なんで?」
下着の隙間から指を入れ、蜜壺に一本入れるも不満そうに口を尖らせ、すぐに引っこ抜く。
私の蜜がついた指を舐め、ニヤリと愉しそうに笑うと
唾液を含んだ指をまた蜜壺に押し込む。
更にもう一本追加して。
『っ…』
「感じて?俺で…ね?気持ちいいっすよね?」
更に速度をあげる二本の指。
ぐちょり…ぐちょ…と水音が静寂な空間を壊す。
やがて、唾液ではない私から出る体液により更に滑りはよくなりそれが快感への引き金になっていく。
『っ…!!』
「あ、イッた?…膣がひくひくしてるっすよ?それに俺の唾液だけじゃないっすよね?ほら、これみて?」
指を引抜き目の前で濡れて光る、手を見せるセト。
指の隙間からは銀色の糸が幾重にも連なっており、恥ずかしさで顔を背けようとする私を愛液の濡れたその手でこちらを見るよう無理矢理顎を掴み顔を固定する。
そこには赤い目をしたセトが顔を歪ませ、笑っていた。
「…今度は俺の番。」
きついっすね…と気持ち良さそうに気持ち悪い笑みを浮かべ、
気遣うこともなく奥へ奥へ進むモノ。
いつの間に出したのか、抵抗することもできず一気に突っ込んだペニスは休むことなく、抽送を繰り返す。
抜いてはさして抜いてはさしてを繰り返し、その間からははしたない音が止むこともなくなり続けていた。
「はぁ…はぁっ…気持ちいいっ…」
『…っっ!』
「あはは…気持ちよすぎて、泣いてるんすか?」
私の涙を拭う手は優しいものなのに、私を見てるようで私越しになにかを見ているようだった。
『(はなしてっ…やめて)
』
「……これからっすよ?っはぁっ…んっ」
やがてピストン運動を続けていくうち、ある箇所にペニスが擦ると先ほどのような…
それよりももっと強い快感を稲妻のように全身に走った。
「ここっすね!」
舌なめずりをしながら更にそこを攻めるセトに、
快感は更に押し寄せてくる。
赤い目のセトをじっと見つめる。
(どうして?)
「好きだからっすよ」
(やめて)
「無理っす…俺を愛して?」