第5章 *赤い瞳の奥に♀(セト)
「」
『?!!…、セト…は、早かったね』
後ろから名前を呼ばれる。振り向くも上手く笑えない。顔がひきつる。
セトを見るけど、顔を隠すようにフードを深く被り
街灯の光だけではその表情までは照らすには、明るさがとても足りなかった。
じりじりと近づくセトにこちらもその度に後退る。
やがて大きなジャングルジムがピタリと背にくっついたところでやっと、セトが笑っていないことに気がついた。
「どうしたんすか?そんな怯えた顔で」
いつもの雰囲気ではない、全く別の者に見える。
けれど、それでも見に覚えのあるあの視線は嫌でも
同じものだとだとセトの表情がそう物語っていた。
『嫌っ!!』
私の両腕を片手で頭上で押さえつけ、もう片方の手が服を裂く。本当にあの優しいセトかと疑う程に今のセトには優しさを微塵にも感じられなかった。
怖いっ怖い怖いっ!!
びりびりと破ける音にあわせ素肌が露になる。
ブラのホックを慣れた手つきで取り除き、乳房を乱暴に揉むセトはまるで獣のようで…いまだ、目の前の仲間のセトが同一人物とは思えずにいた。
「声…我慢しなくてもいいんすよ…あ、でも悲鳴は受け付けないっす」
無理を言う。悲鳴を出したくても、破れた服だったもの…布で猿轡をされていては声などくぐもって出てこない。
それでも助けを呼ぼうと、必死に出すけど言葉とは到底はなれたうめき声しか出なかった。
「はっ…興奮するっすね…痴漢…なんて言われるのは心外っすよ触ったのはあのとき一回だけでただ、見守っていただけだったのに」
ま、いいんすけどね
と嬉しそうに笑いながら乳首に吸い付く。
それは感じたことのない下の動きで、ネットリと舐め上げ時時甘噛しそしてまた、吸い付く…
優しく弄る動きに、布の隙間から声が漏れる。
「あ、感じてる?…好きでもない男にされて感じるなんてにはないっすよね?俺のことすきなんすよね?俺もっすよ!」
否定の意をこめ首を左右に振るも、セトは気にもせずスカートのしたに手をのばした。
『?!!っ』
「っ…いたっ…」
このままでは本当に危ないと、なんとか足でセトのお腹を蹴る。よろめいたその隙に逃げようと足を動かすも、何かで切られたような痛みがはしり、激痛でそのまま地面に倒れる。痛む足をみれば足から血が流れて地面を赤く濡らしていく。