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炎天下の夏の思いで (カゲプロ)

第4章 サプライズは程々に♂(セト)



『ごめんっす……ちょっと心配で』

眉毛を下げ、反省するセトの頭を撫でると
照れたようにわらう。
全く、心配性なところは相変わらずだ。

_____







ホワイトデー前日。日付が変わる数時間前。
明日はいよいよ、ホワイトデーだ。
今日までシンタローと一緒に必死になってと言っても俺だけだが……
チョコ作りを勉強した。
昨日、シンタローが指した記事によると 初心者でも簡単、誰にでも作れるチョコレート

のはずが…俺は別のなにかを作っているのか?と疑いたくなるくらい黒い物体を増産しています。

最初は見るも無惨な黒い塊が、
今ではかなりましなモンになってきてるはずなのだが…と言っても焦げてるのには変わりなくて…

<くくっ……ねーわっ…簡単だろっ溶かして固めるだけなのにっ>

口に手を当て声を押し殺して笑うシンタロー。
だが、漏れてるぞ。俺の耳に届いてるんだからな。

「し、しょうがねーだろ!!だって…焦げるんだもん//」

<どーやったら、焦げんっっだよっ>

「うるせー//」



未だに笑うシンタローにチョップをお見舞いしてやり涙目のシンタローを鼻で笑ってやった。
そんなシンタローを無視しつつまたチョコ作りに没頭する。
溶かして、型にいれ冷やしてなんて簡単な作業の筈なのに、なんで焦げるんだよ…
目の前にある黒い物体に自然とため息が出てしまう。
そんな俺に先ほどまで馬鹿にしてたシンタローが適切なアドバイスをする。

<只、たんに…温度が高いんだよ>
「なるほど~そうだよな」



言われてみればそうだ。ソレしか、原因はないのだから。
そのままにすれば温度が徐々に高くなり、液体はいずれ蒸発する。
それをなにもせず放置すれば焦げてしまう。
なんとも当たり前な事なのに
気付かなかった。



「あ、ありがとうな//」

今までそんな事に気付かずに失敗した自分が恥ずかしくなって
羞恥で顔全体が赤くなったのを感じた。
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