第9章 過去の記憶、覚醒??
ユリアーノの魂と出会い、何故か感じた懐かしさ。
記憶に残る悔しさ?無念さ?
時折見る、夢のような記憶??
ゆり:「ここにきて今まで見てきた夢が鮮明になって、夢じゃなくて記憶なんだとようやく分かった。」
ここに来てから、ユリアーノとゆりの記憶が交差して夢なのか記憶なのかわからない状態でいた。
目まぐるしい変化の中で、ただ流れに身を任せていたこともあった。
ユリアーノがまだいたときは彼に任せていて、彼が私の記憶を感じとり話すこともあった。
来たばかりの時に自分の顔を鏡で見て戸惑って、体の中でユリアーノに会いお互いを知り、同じ夢を見ていたことも、お互いに家族以上にお互いの感情を感じる・・・。
一つの存在だったことを確信した瞬間だった。
ゆり:「ユリアーノが天界に行ってる間に、私が経験したことで稽古に活かせることがないか・・・。アリオスと手合わせしてやってみるか。」
ゆりの中で、何かが変わり始めた。
一人じゃないと確信できた。
あたたかな光・・・、内なるもの?
とても暖かくて癒される。
包み込むような大きくて、全てを許す・・・
ゆり:「涙が止まらない。でも、心が解き放たれるようで悲しみが消えてゆく。全てが許されて、悩んでいたことが嘘のように消えてゆく。これこそがヒーリング、本当の癒し。」
ゆりの中でバルドルの力が目覚め始める。
ゆりの人を思う慈しみの心がバルドルの癒しの力を呼び起こしたのだった。