第5章 真壁の本性
イスベル王国でトーコ姫が、不慮の事故で生死をさまよう中イスベル王と家臣は神官に転生蘇生を願い出ていた。
神官:「イスベル王、王妃の時にも申し上げました。神がお認めにならない事には私共は祈りを捧げ、ヒーリング魔法で痛みを和らげるしかできません。」
イスベル王:「なぜ、神は二度もわたくしに悲しみをお与えになる・・・。」
神官:「神はトーコ姫の魂は、王妃の魂と天界で共に過ごされる事で新たな命としてまた生を受けらるので今無理に転生蘇生をすると不浄な魂が呼び寄せられ、トーコ姫の尊い魂が消滅してしまうと・・・。」
家臣:「転生蘇生はそれほどに・・・。魂が消滅してしまったら生まれ変わることも出来ない。蘇生魔法は無理なのですか?」
神官:「トーコ姫の魂が、かなり弱ってます。神もそれを心配なせれてます。王妃もトーコ姫も穢れを恐れて天界に逃げようとされていると・・・。何かとても大きな黒い力が。」
天使・ジス:「今回の事故も、黒い力の影響で起きました。トーコ姫はイスベル王の身を案じて身代わりになられました。」
イスベル王:「どうして・・・。王妃もではないですか。」
天使・ジス:「お二人とも、イスベル王を守護すために来られてのです。負の力を感じられた神が遣わした天使が王妃でその血を売れ継がれ、神からの神意をも受け取ることのできるトーコ姫。お気づきになられてると思ってましたが。」
イスベル王:「神からのお告げで聞いていました。私は、王妃も姫も守れぬ弱き王。」
家臣:「王・・・。民や私たち家臣はそのように思ってません。民も王のためなら命も惜しみません。王妃が亡くなられたとき、民の数人が亡くなったことをご存じですか?王妃だけではなく王の民として天界から遣わされた人たちがいました。イスベル王国は神からの加護が大きく、けがれなき王国と他国から呼ばれおります。」
天使・ジス:「イスベル王、あなたはこの世界になくてはならない存在です。神からのお告げを神官なしでお聞きになられるのがその理由です。トーコ姫の魂は一度戻られますが必ず王の元に戻られます。早まった真似だけはどうぞお控えください。」
既に黒い力が王の心を蝕んでいたことに気づくものはいなかった。