第2章 夢を見る
――アルミンへ。
元気? 姉さんは今日も頑張ったよ! じいちゃんも元気かな? いじめられてない? エレンやミカサとは仲良くしてる?
いっぱい聞いてごめんね。どうしても気になって……。
この春には姉さんは調査兵団に入れると思う。
巨人をすべて倒して、アルミンの言っていた炎の水や氷の大地、砂の雪原そして、“海”を見せてあげる! だから楽しみにしていてね。
そうそう、来週の休暇には家に帰れるよ! 姉さんお手製のクリームシチューを作ってあげる! エレンとミカサにも会えるかな? なにか買ってきてほしいものがあったらなんでも言ってね。お土産として持って行くから。
あと、またいじめられてたりしたらいつでも姉さんを呼んでね。姉さんが代わりに怒ってあげる!
大好きだよ、アルミン。
今度の休暇に会える日を楽しみにしてる。
体調には充分気をつけてね、おやすみ。
――アリアより
▽△▽
「じいちゃん! 姉さんから手紙届いたよ!」
ある家に少年の喜びに満ちた声が響いた。
「今度の休暇に帰って来れるって! クリームシチュー作ってくれるんだって!」
「そうか。よかったな、アルミン」
「うん!」
少年は姉と同じ金髪を揺らしながら、こくこくと何度も頷いた。少年の右手には便箋と手紙が握りしめられている。
「姉さんが帰ってきたら話したいことがいっぱいあるんだ!」
「きっと姉さんなら聞いてくれるさ。話したいことをちゃんと話せるようにまとめておくといい」
「うん!」
キラキラと目を輝かせた少年は元気よく頷いた。