第4章 氷の心を溶かすのは
「待て!!!」
イザークの手を宙をかすめる。
このままでは、死んでしまう。
考えるよりも先に体が動いていた。
バルコニーを蹴ったため、早く落下する。
「アウローラ!!」
そして彼女を抱きしめる。
掴んだと思った瞬間、木々の上に落ちる。
バキバキという音を立てながら、彼女が傷つかないように必死に盾になる。
何度かしょ撃を受けて、どこかの枝に服が引っかかった。
「なんで!?」
腕の中の彼女が驚愕した表情でイザーク見つめる。
「心配してくれますか?」
「なんてことを・・・。」
イザークの服が所々破れ、血が出ている部分もある。
「どうして・・・・。」
イザークの髪の毛を撫で付け、引っかかっている小枝をとる。
その様子が嬉しくて顔がほころぶ。
「笑ってる場合じゃないでしょう?」
少し怒ったように話す彼女が嬉しくで抱きしめる。
「俺は、あいつと違う。捨てたりはしない。」
「でも・・・。」
「あんな男、こっちから願い下げだろ。」