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崩れる花

第2章 水の中


少し驚いた様子だが、何かを悟ってくれたのだろう。

「私が娘のように可愛がっている子だ。」

紹介を改め直し、隣に座るような仕草をする。

「また痩せたか??ほら、何か食べなさい。」

そばにいたメイドが紅茶を注ぎ、王はテーブルにおいてあったフルーツやお菓子を目の前に並べる。

「ありがとうございます。ここにいてよろしいのですか?」

「ああ、君の意見も欲しいしな。」

カガリ・ユラアスハの顔が曇る。
「非公式とはいえ部外者の方入れるのはいかがかと思いますが?」

「お邪魔でしたら席を立ちます。」

「彼女は外交にも優れているからな。地球軍と同盟を完全に結ばなかったのも彼女のおかげだしな。」

「ですが・・。」

「わたくしも・・。不安ですわ・・。」

ラクスも不満の声を漏らす。

「そうか、二人にそう言われてはな・・。隣の部屋で待っていてくれるかい?」

「もちろんです。」

「ああ、誰か彼女の付いていてあげてくれないかな?」

護衛は誰も反応しない。
王太子を慕っているほとんどの王宮の人間は私を嫌っているということを知っている。

「お気になさらず、一人でも大丈夫です。」

これ以上何か言われる前に滑らかに立ち上がり挨拶をする。
そしてそのまま隣の部屋に移動した。

「彼女は・・。そのどういった立場の方なのでしょうか?昨日のパーティーにもいらっしゃらなかったような・・。」

「おかしいな?息子のパートナーだったのだが?」

「他の方といらっしゃいましたわ?」

「失礼ながら、昨日彼女にお会いしましたが、だいぶ体調を崩されていたようでした。」

「なるほど、そうか・・。いや、彼女は大切な人の子なんだ・・。私情が入ってしまったな。」

「私が彼女のそばに行きましょうか?」

イザークが発言する。

「そうだな・・。お願いしようかな。」

一礼して彼女がいる部屋に向かった。


「失礼します。」

部屋に入ると彼女は驚いたようだった。

「この前はお見苦しいところをお見せいたしました。改めてお礼申し上げます。」

スカートを軽くつまんでお辞儀をする。

細く小さな体に白い肌。
珍しい琥珀色の瞳は人を惹きつける。
少し青白顔をしているが、立ち振る舞いに隙がない。

「初めまして、改めてご挨拶します。イザーク・ジュールです。」

「・・・。アウローラと申します・・。」

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