第1章 新人教育
ジン:「不思議に思うよな。俺も社長と専務から話を聞いた時に何度も確認した。不正を嫌う社長と専務が何故受け入れをしたのかと。」
ユンギは言葉を選びながら話すジンに聞く。
ユンギ:「ソン・ウォン社長と何か関係があるのですか?デザイン会社としてのクヌルはとても良い会社で評判も良かった。盗作問題が起きるまでは。ウォン社長自身も・・・。」
ジン:「ウォン社長は我が社のチェ・ジョンウ社長とイ・ギヨン専務(アミのお父さん)は同級生なんだ。盗作問題の時もウォン社長の関与ないと確信していた。実際の所、自殺した社員が行っていたことは間違いなかったが、それを指示していたのが一人娘のユナさんだった。」
ユンギは話を聞いて納得した。実行犯は自殺した社員だが、指示を一人娘がしていたことでウォン社長は心を痛め、社員たちの生活を脅かした娘を手元に置くことはできず、信頼できる親友たちのいる会社に任せようと考えたのだと。
ユンギ:「でもジョンウ社長とギヨン専務だけの判断で入社できないのでは??」
ジン:「チェ会長にはお二人から話されている。理事たちには会長から話された。ユナさんのことをよく思わぬ理事が大半で会長自身も同じ意見だった。条件付きでのインターンとして入社を認められた。」
ジンの話の内容でユンギは自分が何を任されたかは理解した。
ユンギ:「ユナさんの監視をするということですね。それを自分が任されたんですね。」
ジン:「そうだ。社長、専務は勿論だが、チェ会長もユンギならと言われたそうだ。」
女性同士ならアミの方がよさそうなものとユンギは思う。
ユンギ:「なぜ、自分に監視を任されたのですか?アミでもよいではないですか?女性同士ならもっと監視しやすいのでは?」
ジン:「アミにも頼むが、彼女に会えば理由が分かると思うが・・・。」
ユンギはユナに会っても自分が何故任されたのか気づくまでにはしばし時間がかかるであった。
かなりの鈍感で自分に好意を持たれるという感覚は皆無であった・・・。