第4章 悪夢の再来~アミの過去~
ギヨンは過去の手紙と来た手紙を見比べてから封を開けた。
その封筒は中世時代に使われるような封筒で封蝋で閉じられていた。過去に届いていた物も全く同じ物で、封蝋で閉じられその印章が独特のもので同じ物と一目で分かった。
ギヨン:「これを見ても分かると思うが、封蝋の印章が同じだ。同じ人物が出している可能性が高い。以前届いていた内容から今回来たもので同一人物だと確信した。」
ジフン:「見つけた・・・。って事は。」
ベクヒョン:「!!」
母:「あなた、アミを会社に通わすのは危険すぎないですか?」
ベクヒョン:「そうですよ。父さん、いくら僕たちが一緒に行動しても万が一会社の社員としていたら避けられないよ。」
ジフン:「信頼できる人に頼るにしても限界がありますし・・・。」
ギヨン:「警察が内定して可能性がある者を調べている。捜査の進展は随時届いている。ベクヒョンとジフンが心配するのも分かる。母として君としたら気が気でならないと思うが・・・。」
母:「手紙に宛名が書かれてなくてポストに投函されている。あの時も家の前でだったから・・・。あの時、捕まえれてれば。」
母は悔しさと怒りで泣き崩れた。
アミ:「オンマ、泣かないで。私はあの時みたいに弱くないし、ヒョナもジフナもいるし。ナムジュとホソクもいるし・・・。」
ギヨン:「ユンギくんにもこの件は詳しく話してある。彼にも協力を頼んでいるからな。後は、SPも頼んだから明日からは護衛してもらう。」
ジフン:「SPを付けてることが相手に油を注ぐことにはなりませんか?」
ギヨン:「大丈夫だ。社員として彼らはいるから送り迎えなら犯人も気に留めまい。犯人の狙いがアミであるのは分かるが、何が目的なのか分からない。」
5年前の事件はアミに想いを寄せストーキングから始まり、自分の存在を気付かせたくストーカー行為が酷くなった。
手紙や花などが会社の受付に届けられ、気味が悪くなり会社側も不振に思い宅配業者に持ち帰ってもらうようにした。
その矢先、事件が起きた。
アミが犯人に拉致監禁され、生死をさまよう大けがに精神を病むほどに追い埋められ貞操を奪われはしなかったものの傷は大きく残った。
発見された時に犯人の姿はなく、意識が飛んで虫の息のアミだけがいた。