第7章 7章 初めてのオムライス
そして、「瑠璃ちゃんいらっしゃい」と声をかけてくれた。
「独歩ちん、ほら着替えてシャワー浴びてこい!
いい男が台無しだぞ?」
そういうやり取りにクスクスと笑えてきた。
何となく、お兄ちゃんが2人を選んだ理由がわかった気がした。
「ただいま、いい湯だったよ。
一二三、ありがとう。」
タオルで髪の毛をガシガシと吹きながら独歩さんは戻ってきた。
「ちょうどオムライスできたぞ!!」
そういって出されたのは、絵本でしか見たことのない、オムライスだった。
「オムライス…っ」
感激で涙が出そうだった。
それくらい、いいにおいで、ケチャップにはメッセージがかかれていた。
「瑠璃」と。
食べるのがもったいないくらいに嬉しかった。
「これ、食べてもいいの!?」
もちろんとうなづく、一二三さんに私は笑顔が止まらなかった。
「もちろん、瑠璃ちゃんのために作ったんだから!
食べてよ!」
そう言って、私にスプーンをくれた。
「いただきます!」
1口、口に運ぶと私はとっても感激した。
ふわふわの卵とケチャップが口の中で混ざってとっても美味しい!
気がつけばスプーンを進める手が止まらなかった。
「そんなに慌てて食べなくても逃げないよ笑」
そう言って水をくれる一二三さんに、私はとっても恥ずかしくてドキドキした。
「だって!一二三さん、これとっても美味しい!」
そりゃよかったと言って、2人も食べ始めた。
「ご馳走様でした!」
そう言って両手を合わせると、私は薬を飲もうと目の前にある水を口に含んだ。
「薬・・・結構多いんですね」
そういう独歩さんに、私は苦笑いしながら
これでも減った方と言った。
「暴れたりするとすぐ増えちゃうから、最近は大人しくしてる笑」
それは、多分心臓発作とかも兼ねてるんだろう・・・と容易に独歩たちは予想が着いた。
それでも明るい私に、最近はどうしてるかなんて聞きながら、お風呂に入れた。
「ただいま!髪の毛乾かすからドライヤー貸して!」
そう一二三さんたちにお願いすると、ドライヤーで一二三さんが乾かしてくれた。
「怖くないの?」
これくらいはね、と言う一二三さんに
なんだかとっても嬉しかった。