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新宿三者の可愛がられ妹

第4章 初めての歌舞伎町


あっという間の1時間だった気がする。
それでも、初めての歌舞伎町は
3人のおかげで楽しかった。

独歩さんは、酔ってずっと愚痴ってたけど
それをずっと一二三さんが聞いて、お兄ちゃんがアドバイスをして。
仲間って、とても楽しいものなんだなって思った。

「一二三さん、今日はありがとうございます。」
素直にそう言えた。

「いいんだよ子猫ちゃん。
僕は、その子猫ちゃんの笑顔が見たかったんだ(笑)」
そう言って、撫でてくれる手はお兄ちゃんと違う
でもとても心地よい手だった。

「また元気になったら、来てもいいですか?」
そう、尋ねると一二三さんは以外にもノーと答えた。

「君は、とても可愛いんだ。
自然にいい人ができる。
だから、こういう大人の世界を知らずに生きてください。」

お兄ちゃんも、そうですね。
とだけ答えた。

「こんなこと言うと自分の職業を否定することになりますけど、癒しを求めなくても君なら先生がいる。
だから、僕とはここで会わずに病院に遊びに行った時、あってくれると嬉しい。
それに体調も心配だしね。」
そう優しく言う一二三さんは、とても悲しそうだった。

私は、何故かとても悲しくなった。
なんでかは分からない。
でも、たまらなくこの場から飛び出したかった。

「ご、ごめんなさい。
病院独りで帰ります。
お兄ちゃんは、皆さんとゆっくりしてて。」
そうとだけ言い残して、止めるお兄ちゃんたちに目もくれず右も左も分からない歌舞伎町を走った。

「瑠璃さん!」
3人の誰かがそういったような気もしたけど
そんなこと考えたくなかった。
それは、もう三人と関わってはいけないと自分に言い聞かせておこうと思ったから。
お兄ちゃんは家族だから仕方ない…仕方…。
そういえば、私お兄ちゃんの実の家族じゃないんだ。

あぁ、私は初めから1人だったんだ。
「バカみたい…」
自分に呆れ笑いながら、路地裏に向かってあてもなく歩いていった。
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